(事故と障害の内容)
設備工事会社の代表者である60代男性のご依頼者様が、単独の自損事故で右鎖骨骨折、肋骨多発骨折、肺挫傷などの重傷を負った事例です。
後遺障害は、鎖骨の変形障害(12級相当)と肩関節の可動域制限(12級7号)で併合11級が認定されていました。
(ご依頼の経緯)
自損事故のため相手方への賠償請求はできず、ご自身が加入する人身傷害保険への保険金請求の事案でした。
保険会社から約550万円の提示を受けたものの、金額が妥当か分からないとのことでご依頼いただきました。
(受任後の活動)
最大の争点は逸失利益でした。ご依頼者様は会社代表者であったため、保険会社は役員報酬の大部分は労働の対価ではないという前提の提示をしていました。そこで、法人登記簿や所得証明書を取り付け、会社設立の経緯、家族中心の経営の実態、本人が現場作業の中心であることなどを丁寧に立証し、役員報酬の全額が労働の対価であると認めさせました。
また、保険会社は鎖骨の変形障害について労働能力の喪失はないと主張し、12級分の逸失利益しか提示していませんでしたが、変形障害と可動域制限が併存する事案で中間的な喪失率を採用した裁判例を提出し、12級の喪失率14%より高い喪失率を獲得しました。
(結果)
保険会社の当初提示額約550万円から約1000万円増額となる約1590万円(約2.9倍)で解決できました。
(解決のポイント)
会社役員の逸失利益は「役員報酬のうちどこまでが労働の対価か」が常に争われます。
会社の実態を具体的に立証できるかどうかで金額が大きく変わるため、資料収集とヒアリングを尽くしたことが増額につながりました。
人身傷害保険の請求は相手方がいない分軽視されがちですが、逸失利益に関しては、約款の基準を踏まえた緻密な請求を行えば大幅な増額が可能な場合もあります。



解決事例





