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弁護士坪井俊郎の交通事故体験記⑥~紛争処理センターで最終解決~

 

1.紛争処理センター

公益財団法人 紛争処理センター(紛セン)とは、被害者と保険会社との示談に関する紛争を解決するため、被害者と保険会社との間に立って法律相談・和解あっ旋・審査手続を行う機関です。

和解あっ旋では、担当の弁護士(嘱託弁護士)が公平中立な立場で、双方から話を聞いてあっ旋案を出します。

 

後遺障害に争いがある場合は紛争処理センターを利用することはできませんが、センターでは損害額は裁判基準で計算されますので(但し、入通院慰謝料は同じ裁判基準でも赤本基準ではなく青本に基づいているような気がします)、金額面で折り合いがつかない時は、紛争処理センターの利用はお勧めです。

 

もっとも、もし弁護士に依頼せずにご自身で申し立てる場合、ひと月に1回程度、平日昼間にセンターに出頭しなければなりません。

人身事故の和解あっ旋の回数は3~5回くらいが多いようです(私の場合、3回センターに行きました)。

 

2.申立の流れと管轄

申立に関する資料や注意点はセンターのHPを見れば分かるので、それはそちらをご覧ください。

http://www.jcstad.or.jp/

 

センターのどの支部に申し立てればいいのか。

その管轄は、事故が起こった場所を管轄する支部か、被害者が住んでいる住所地を管轄する支部です。

 

私は、事故が沖縄なので事故地を基準にすれれば福岡支部、私の住所を基準にすれば大阪支部になります。

但し、相手の保険会社が同意すれば、どの支部に申し立てても大丈夫です。

私は、この件が弁護士案件になる前、もし、紛争処理センターを使うなら、相手保険会社の担当部署がある東京支部にしようと思っていました。

 

福岡だと相手保険会社担当者に負担がかかりますし、大阪だとあっせんの嘱託弁護士がもし知り合いだったら洒落にならないからです。

 

ところが、まさかの神戸の弁護士さんが付いたおかげで、東京支部に申し立てることはできなくなりました。

神戸の弁護士さんが東京支部への申し立てに同意してくれるとは到底思えないからです。

そうなると、福岡か大阪になるのですが、さすがに福岡は遠いので「絶対に知っている弁護士さんに当たらないように」と祈りながら大阪支部に申し立て書類を郵送しました。

 

申立書類を郵送してから2日くらいでセンターの職員から電話がありました。

いくつか質問事項を聞かれて、その後、持参してきてほしい書類や注意点などが書かれた書類がセンターから郵送されることになりました。

 

また、同時に初回の相談日を決めますが、最初は『2日後の午後でいかがでしょか』と聞かれましたが、都合が悪かったので翌週にしてもらいました。

ただ、センターからの書類が届いてから資料を準備しなければならないので、電話をして2日後に相談を入れるって大丈夫かいなとは思いましたが。

 

今回、私は、弁護士としての職務上ではなく、一般人としてセンターに申し込みをしています。

一般の方がセンターを利用する場合、まず、事案と争点をセンターが把握しなければならず、それには時間が取られることが多いので、初回相談はその聞き取りだけ終わります。

 

そのため、相手方保険会社は、初回はセンターには来ません(2回目以降は来ます)。

もし、弁護士として仕事で紛センに行く場合、初回から相手方損保担当者や相手方代理人も同じ日にセンターに来ます。

被害者側に弁護士がついている場合、事案の整理や資料等は弁護士が準備できて、双方が事案と争点を把握しているので、最初から双方に話を聞いた方が早いからです。

 

3.初回期日(平成29年10月16日)

先ほども述べた通り、私は一般人として申し込んだので、初回は私だけがセンターに行きました。

受付でセンターの職員に持参書類のチェックをしてもらい、簡単な聞き取りをされました。

その際、職業を聞かれたので、弁護士と答えました。

 

持参した資料を渡すと、申立人待合室で待つように言われたので、申立人待合室に行ってしばらく待っていると、「坪井さん、〇番のお部屋に来てください」とアナウンスが流れたので、その部屋に行って、嘱託弁護士との面談が始まりました。

 

幸いにも、全く知らない年上の弁護士さんでした。

 

通常であれば、弁護士さんが初回1時間の相談枠で紛争の内容と争点を聞き取るのでしょうが、私が経緯と争点をまとめた資料を作っていきましたので、事実関係の簡単な確認だけしか行わず、わずか5分程度で終わりました。

私の申立書の内容に対し、一カ月以内に相手方弁護士さんが反論の書面を作成し、さらに次回までに私がそれに対する反論をするということになりました。

 

4.第2回期日(平成29年12月7日)

いきなり脱線して民事裁判のお話をします。

民事裁判は、テレビドラマのように法廷で喧々諤々と論破するという場面は、実はほとんどありません。

お互いの言い分は、あらかじめ書面を作成して裁判所や相手に送付しておいて、裁判の日は、その内容の簡単な確認と次回期日までに何をするかを決めるという手続きだけで終わることがほとんどです。

 

法廷の場であれやこれやと長々と発言したところで、それを正確に覚えることができませんし、言った言わないになると面倒なので、言い分を書面で提出するのです。

そのため、多くの裁判の時間は、1回あたり時間にして3~5分程度です。

 

例外は証人尋問の時です。証人尋問の時は、割とテレビドラマに近いやり取りになります。

なぜ民事裁判のお話をしたかと言いますと、紛争処理センターは裁判ではありませんが、結局、相手に弁護士がついている以上、民事裁判のような書面のやり取りで進んで行くことになるからです。

なので、この体験記も紛争処理センターに申し立てたあたりから、特に目を見張るような出来事は発生せずに面白みには欠けますが、最後までお付き合いください。

 

さて、第1回目の期日の約1カ月後に相手弁護士から反論の書面が出ました。

これまでの主張通り、休業損害は認めない症状固定時期は2月末である(私は打ち切り後も5月末まで治療を続けました)、という内容で、休業損害が本当に発生したかどうかは裁判で判断すべきということで訴訟移行の希望(紛争処理センターで判断するのではなく、民事裁判で白黒をつけるべきだという希望)も書かれていました。

 

それに対して私の方でも反論の書面を作成して提出しました。

2回目の期日では、その内容の簡単な確認と、相手弁護士がさらに反論の書面を作成するとことでしたので、次回までに、相手が反論の書面を作成して、私もそれに対する反論の書面を作るということで終わりました。

 

5.第3回期日(平成30年1月29日)

相手の書面は、結局は同じような主張で、要は、休業損害は認められないというのが主でした。

 

それに対して私の方でも反論の書面を作成して、第3回期日に臨みました。

センターで先に相手弁護士が嘱託弁護士と話をして、その後、交代をして私が部屋に入りました。

このままだと膠着状態なるということは相手も思っていたようで、これまでの提示額からさらに約75万円を上乗せした提示がありました。

 

ただし、今回で和解の話が具体的に進まない様であれば、訴訟移行の申述を正式にするとのことでした。

これで示談をするかどうか検討してほしいと嘱託弁護士から言われて、私はどうしようかとその場でしばらく考えました。

訴訟移行の申述を正式にすると「本件が紛争処理センターで判断すべき事件かそれとも裁判をすべき事件か」を本部が判断するのに2,3か月かかるとのことでした。

 

嘱託弁護士の感触では、本件は、訴訟移行の申述がなされても、本部が「裁判ではなく、センターで処理しなさい」という却下判断をすると思うとのことでしたが、それでも2,3カ月を無駄に待つのもなと思い、嘱託弁護士に、「さらに50万円上乗せするなら示談をすると相手に伝えてください」と言いました。

 

すると、嘱託弁護士さんが、「良かった」という安堵の表情をしました。

すぐさま、紛争処理センターのあっせん案がプリントアウトされましたが、そこに記載されていた額が、私が先ほど言った「50万円を上乗せした額」とほとんど同じ額だったのです。

 

おそらく、嘱託弁護士があらかじめ考えていたあっせん案と、私が言った「50万円を上乗せした額」がたまたまほぼ一致したので、これで示談を進められると思ったのかもしれません。

もちろん、このあっせん案では、私の休業損害も一定程度認められていました。

あっせん案を渡されたので、双方検討するということになりました。

 

6.終了

第3回期日から約10日後、相手があっせん案に応じるとの連絡をセンターから受けました。

私もその案で受け入れると伝えたところ、紛争処理センターから「免責証書」(示談書のようなものです)が送られてきたので、平成30年2月15日に私がそれに署名捺印して紛争処理センターに返送しました。

 

それから1週間程度で指定口座に示談金が送金されて、本件は無事に終結しました。

本当にいろいろありましたが、被害者として身をもって様々なことを経験しましたので、これからの交通事故業務に活かしていこうと思います。

 

 
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