歩行者事故相談室

歩行者事故の特徴と気を付けるべきポイントをご説明いたします。

 

1 歩行者事故の特徴

歩行者事故は、車対車の事故と比べて、重度の怪我を負い、後遺障害が残る可能性が高いです。乗用車の場合、車体が乗車中の人を守りますが、歩行者の場合、身体を守ってくれるものがありません。
そのため、それなりの速度で衝突されたら、お亡くなりになったり意識不明の植物状態(遷延性意識障害)になったりすることがあります。頭部外傷により高次脳機能障害になる可能性もあります。
頭部以外でも、胸部を打撲することによって内臓を損傷することがあります。また、手足を骨折することもあります。
さらに、歩行者は自動車やトラックなどと比べて小さいため、特に夜間では見落とされることがあります。

このように、 重度の後遺障害が残ったり、最悪の場合、死亡に至る場合もあるのが歩行者事故の特徴です。
また、歩行者事故については、横断歩道がない道路を横断していたり、横断歩道がない交差点内を進んでいるときに事故が起きることがあるため、過失割合が争いになるケースが多いことも特徴です。

歩行者事故の場合も、乗用車の場合と損害賠償の基準は変わりません。
適正な賠償金額を獲得するためには、事故直後の段階からの対応が非常に重要になります。
当事務所では、交通事故に関するお問い合わせを年間150件以上お受けしておりますが、歩行者事故のご相談も多くお受けしております。事故直後から必要な治療や検査、残しておく証拠など、専門家としてアドバイスをさせていただきます。

 

2 歩行者事故治療の注意点

歩行者事故で多い怪我が骨折です。
もっとも骨折はレントゲンで比較的簡単に発見できるので、治療が遅れるということはあまりありません。

見逃されがちなのが、頭部の外傷です。

勢いよく衝突されたら頭部外傷を負うこともあります。

初診時にCTで頭部に明らかな異常がない場合、それ以上の精密検査がされないことがあります。
しかし、頭部CTでざっと見たところ明らかな所見がなくても、CT画像を精査したり、MRIを撮ったりすると異常が発見されて高次脳機能障害だと診断される場合があります。
ところが、医師が「異常なし」と判断したならそれを信じてしまうと思います。しかし、事故後数日から1週間たっても以下のような症状がある場合、高次脳機能障害の可能性があります。

・物の置き場を忘れる、新しいことが覚えられない(記憶障害)
・一つの物事に集中できない(注意障害)
・指示されないと行動を開始できない(遂行機能障害)
・状況に応じた行動や感情をコントロールできない(社会機能障害)
・以前に比べて怒りっぽくなった
・言葉を発語しようとしてもその言葉が思い出せなくなった(リンゴを見ても「リンゴ」ということは分かるものの「リンゴ」という単語が思い出せない。失語症と言います)

その場合は、画像検査をするとともに、高次脳機能障害に対応した医療機関で治療をする必要があります。

 

3 歩行者事故に強い弁護士とは?

交通事故が不得意な弁護士であれば、骨折や頭部外傷(遷延性意識障害・高次脳機能障害)のことは、あまり詳しくない弁護士が多いと思います。

交通事故が得意であると表記している弁護士であっても、そうした傷病に精通しているとは限りません。

歩行者事故に強い弁護士とは、治療の初期から画像検査や各種検査を踏まえた上で、適切な後遺障害等級の認定を受けるために必要な治療や検査内容・診断書の作成を被害者やご家族に伝えることができる弁護士のことです。

後遺障害認定のみならず、損害賠償についても裁判基準で適切な額を主張・立証できる弁護士のことです。

歩行者事故は、過失割合について争いになることもあります。
その場合、事故現場にある防犯ビデオ(1カ月程度で上書きされてデータが消えることがあるので、ご注意ください)を確認したり、警察の捜査資料を精査して過失割合を争う弁護士が歩行者事故に強い弁護士と言えます。

 

4 当事務所は歩行者事故に強い事務所です

当事務所では、交通事故事案を中心に扱っており、歩行者事故の取り扱いも豊富です。
多くの歩行者事故について適切な等級認定や裁判基準での賠償解決を行ってきました。

当事務所では、治療の初期段階から適切な後遺障害の認定に向けて、必要な治療・検査・資料の収集をアドバイスすることができます。

実際、歩行者事故で、事故当初から当事務所のアドバイスに基づいて適切な治療と検査をした結果、CRPSや高次脳機能障害で適切な後遺障害等級が認定されています。

歩行者事故で残念ながらお亡くなりになられた方のご遺族からの依頼も多数承っております。

過失割合についても、防犯カメラの映像や警察の捜査資料に基づいて、保険会社と交渉しております。

 

5 早期ご依頼で後遺障害や過失割合で有利になる可能性があります

歩行者事故の後遺障害等級認定においては、早期に適切な治療や検査を受けることが重要です。
特に、高次脳機能障害については、早期に検査をする必要があります。高次脳機能障害については、意識障害に関する資料も早期に作成する必要があります(治療に日数がかかり、その間に初診時の医師が転勤等で資料の作成が困難である場合があるからです)。

また、過失割合で争いになる場合で防犯カメラの入手が必要な場合、1カ月程度でデータが上書きされて消えてしまう可能性がありますので、早期に証拠の保存をする必要があります。

 

6 適切な後遺障害の認定の受け方

負傷した部位と傷病名と自覚症状から認定される後遺障害を想定します。
例えば、大腿骨骨折をした場合、足の長さが左右で異なることがありますが、そうしたことを医師が見落としていたというケースもあります。
そして、目標とする等級を取るのに必要な検査、資料を集めます。
後遺障害診断書に過不足なく必要な情報を書いてもらわなければなりません。

本来は異常所見があるのに医師が意見書に「所見なし」と書いてしまい、それがそのまま保険会社に渡ることがありますが、そうしたことを防ぐ必要があります。
可動域制限がある場合、適切に角度を測定してもらう必要があります。
こうした準備をきちんとしてはじめて適切な等級の認定を受けられます。

 

7 示談交渉と訴訟(適切な手段で適切な額を)

可能な限り脳や身体の状態が回復されるに越したことはありません。
しかし、残念ながら治療の甲斐なく後遺障害が残ったり、最悪の場合はお亡くなりになることもあります。
身体や命はお金には代えられません。むしろ、そのお金を払うから元に戻してほしいとご希望されると思います。

しかし、現実問題として今の法律(民法)の下では、金銭で解決するしかありません。だからこそ、可能な限り多くの損害賠償金を獲得することを目指さざるをえないのです。
遷延性意識障害や高次脳機能障害が残り、被害者の介護が必要な場合、ご家族にとっても金額が少なかったら将来の不安が消えないと思います。請求できる費目を漏れなく、しかも正しく計算することはもとより、そうした費目をいかに立証できるかということも重要です。

高度後遺障害の場合、賠償額も数千万から億単位の多額になることが多いため、少しの見通しの違いで結論に大きな差が出ることも少なくありません。

訴訟をすれば、多くのケースでは交渉時よりも賠償額が上がりますが、場合によっては自賠責で認定された等級よりも低くなる可能性もあり、また、事前の交渉時の提示額と比べてほとんど上がらなかったり、むしろ低くなる可能性もあります。

後遺障害等級、過失割合、将来介護費、逸失利益、休業損害、基礎収入、家屋改造費などの様々なファクターについて、立証の難易度を考慮の上、どの程度の額・内容なら示談に応じてもいいのか、それとも裁判をしたほうが良いのかといったリスクとメリット・デメリットを事前に精査してお伝えいたします。

そして、事案に応じて、示談交渉・紛争処理センター・調停・訴訟提起の中から適切な手段をご提示いたします。

 

8 初回相談は無料です。

当事務所では、被害者やそのご家族(ご遺族)の方に安心してご相談いただけるように、交通事故の初回相談は無料で行っています。

また、重度の後遺障害(高次脳機能障害や遷延性意識障害など)を負われた方やそのご家族の方の不安を少しでも軽減できるように、2回目以降のご相談も原則として無料で行っています。2回目以降のご相談は、お電話やメールでも受け賜っています。

 

9 弁護士報酬は後払い制です(着手金無料)

当事務所では、歩行者事故でお怪我をされた被害者及びそのご家族の方の負担が少しでも軽くなるように、弁護士費用は成功報酬制となっています。
もし、加害者保険会社からまったく賠償金を獲得できなかったら、弁護士費用のご負担はありません。

なお、被害者の方の保険に弁護士特約が付いている場合は、当事務所の基準に基づいてその特約を使って着手金・報酬金を計算しますが、弁護士特約が使える場合であっても、事件解決まで被害者の方の弁護士費用のご負担はございませんのでご安心ください。

 

10 加害者の保険会社以外から受け取れる補償

① 労災保険

交通事故にあったのが通勤中や勤務中であれば、労災として、労災保険を受け取ることができます。例え、交通事故について示談が成立していても、時効(休業補償などで2年、後遺障害で5年)になっていなければ、労災からも一定額の休業補償と後遺障害一時金または年金を受給できる可能性があります。

 

② 障害年金

厚生年金や国民年金の保険料を支払っていれば、障害保険を受け取れる場合もあります。
障害年金は、原則として、受傷時から1年6ヶ月が経過してから、申請することになります。他方、1年6ヶ月の期間内に症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った場合等は、例外的に、その日から申請することが可能です。

 

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