保険会社は被害者の味方なのか? -交通事故被害者への対応の実態-

当事務所にご依頼いただいた方が実際に保険会社から受けた酷い対応をご紹介いたします。

 

① 5か月で打ち切り

このところよく見かける事例ですが、事故から5カ月たった時に一方的に保険会社が治療費を打ち切って後遺障害診断書を作成するように被害者に通告しています。

むち打ちなどで明確な他覚所見のない症状の場合、半年以上通院していないと後遺障害が非該当になるため、後遺障害を非該当にさせるために5か月たった段階で打ち切って後遺障害診断書を作成させているのかと思われます。

 

② 後遺障害が認定されないと言う

左鎖骨遠位端骨折の被害者に対して、保険会社担当者が「その怪我だと後遺障害は認定されない」と断言しました。ところが、当事務所が依頼を受け、後遺障害を申請した結果、14級9号が認定されました。

 

③ 被害者に有利な資料は送らないし、間違った資料は訂正しない

後遺障害認定を任意保険会社主導(事前認定)で行うと、被害者に有利な資料は送られません。

例えば、治療費打ち切り後も引き続き通院している場合、後遺障害認定に当たってそのことも一定程度考慮されますが、保険会社任せの場合、任意保険会社が治療費打ち切り後の通院状況を積極的に調査して自賠責調査事務所に出すことはありません。

また、診断書等に間違った情報が書いてあっても訂正しません。
例えば、実際は初診時に意識障害があったにもかかわらず、「なし」と書かれた診断書をそのまま自賠責調査事務所に出します。

 

④ 事故後1年半経過していても意見書を出す

鎖骨骨折で事故後1年半たって症状固定をした事案で、被害者請求(後遺障害認定請求)をした際に、保険会社担当者が、肩関節可動域はまだ改善する可能性があるという意見書を調査事務所に出してきました。事故から1年半も経過していて可動域が改善されるはずがないにも関わらずそのような意見書を送ったのです。

結果は、無事に後遺障害診断書記載通りの関節可動域障害が認定されました。

 

⑤ 防犯ビデオの映像データを出さない

保険会社担当者が、「衝突直前に被害者の車が動いていた防犯カメラの映像データがあるので、『衝突時に止まっていた』という被害者の言い分は間違っている」といい、そのデータは保険会社担当者が持っているスマートフォンにデータとして残っているというので、そのカメラ映像のデータのコピーを欲しいと言っても、よくわからない理由をつけて最後まで渡しませんでした。

結局、裁判になり判決ではこちらの事故態様の主張が認められました。

 

⑥ 休業補償の支払を撤回

休業補償を全額支払うという内容の示談書を一旦は送っておきながら、こちらが後遺障害の異議申し立てをしている間に、急に、全額は支払えないという通知を送ってきました。

この件は、訴訟で当方が主張する休業損害が全部認められました。

 

⑦ インプラント治療費不払い

インプラント治療で事前に歯科医が保険会社に見積もりを見せて担当者からOKをもらっていたのに、ざ治療をして治療費を請求したら、保険会社が支払いを拒否しました。

 

⑧ 実際は赤信号だった

直進車と左折車は赤信号で進行が出来ないものの、右方向への矢印信号が点灯していたため、加害車両が第三車線を走行して交差点を右折しようとしていました。ところが、加害車両が交差点内に入った時はすでに矢印信号は消えて、赤信号状態でした。

他方、対面信号が青信号になる前にすでに横断歩道を赤信号状態で横断していた被害者の自転車が、交差点に進入してきた加害車両と衝突しました(加害車両から見て被害者の自転車は左方向から来ました)。第2車線の直進車は赤信号停止中で、その車があったので、加害車両からは左から来る自転車が発見しづらかった状況です。

加害車両の運転手は、右方向の矢印信号が点灯していたと主張し、加害者側保険会社もそれを鵜呑みにして、被害者の治療費の支払いを一切拒否しました。本当に交差点内に進入した際にも矢印信号がついていたのであれば、加害車両は青信号で交差点に進入したので、自転車の方が過失が大きいです。

しかし、その後、警察の捜査を収集したところ、加害車両が交差点に進入した時、すでに矢印信号は消えていて赤信号だったことが判明したのです。加害車両も被害者自転車も赤信号同士ですが、自転車と自動車なので、加害車両側の過失が大きくなりました。

 

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