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胸部圧迫による心破裂で死亡した方の内縁の夫に対し、死亡慰謝料と逸失利益(家事を受けられなくなった利益)が認められた事例

(事故と障害の内容)

 お亡くなりになった方(以下「X様」といいます)は、青信号で横断歩道を歩いていましたが、運転を誤ったトラックに轢かれて死亡しました。
   

(ご依頼の経緯)

 ご依頼者様は、X様と30年以上内縁関係でした。他方、X様には実子が3名いらっしゃいました。
 X様がお亡くなりになってからご依頼者様とX様の実子が仲違いをしたことからご依頼がありました。
 

(受任後の活動)

 通常、交通事故死亡事案では、相続人が加害者に対して損害賠償請求をします(被害者の損害賠償請求権を相続します)。
 そのため、通常であれば、本件はX様の実子3名にしか損害賠償請求権はありません。
 しかし、ご依頼者様は、X様の内縁の夫でした。
 内縁の夫または妻には、固有の死亡慰謝料と逸失利益が認められるケースがあります。
 もっとも、X様の実子は、そもそもご依頼者様がX様の内縁の夫ではないと主張されていたので、話し合いでは到底解決できない事案でした。
 そこで、ご依頼者様とX様の3名の実子それぞれが加害者に対して損害賠償請求訴訟を提起して併合審理されました。
 この訴訟の中では、①そもそもご依頼者様がX様と内縁関係なのか、という事と、②X様は主婦でしたがX様の死亡によりご依頼者様が家事を受けられなくなった扶養利益を逸失利益として認められるかということ等が問題になりました。
 内縁関係については、住民票や写真等の資料を提出しました。扶養利益についても、もしX様がお亡くなりにならなかったら、X様は引き続き家事をしていたので、逸失利益があると主張しました。
 判決では、ご依頼者様とX様が内縁関係であることが認められ、また、依頼者様が家事を受けられなくなった扶養利益を逸失利益として認められました。
 ご依頼者様の死亡慰謝料が約600万円、逸失利益が約650万円認められました(X様の実子3名もそれぞれ同じような金額でした)。
 

(結果)

 ご依頼者様は、弁護士費用と遅延損害金を併せて約1400万円を保険会社から受け取りました。
 

(解決のポイント)

 内縁の夫や妻であっても死亡慰謝料や逸失利益を請求できる場合がありますので、まずは専門家に相談することをお勧めします。
 
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