(事故と障害の内容)
信号のない道路を横断中に、10代の女性が横からバスにはねられたという内容で、顔面を強打したことから、約5センチメートルの線状の傷が顔面に残った事案。
(ご依頼の経緯)
事故後すぐに、知人を通じてご相談がありました。
(受任後の活動)
(1)後遺障害等級認定まで
ご依頼を受けて以降は、保険会社とのやり取りは、弁護士が行いましたので、ご依頼者様のご家族の精神的負担が減りました。
ご依頼者様の症状固定後、弁護士が病院に同行して、医者と相談しながら、適切な後遺障害の認定を受けるための診断書の作成を医者にお願いしました。
その結果、「外貌に著しい醜状を残すもの」として、後遺障害7級が認定されました。
(2)保険会社との交渉と裁判
後遺障害認定後、保険会社と交渉を開始しました。
当初、保険会社は、示談金額として約700万円しか提示しませんでした。
保険会社は、逸失利益(もしその事故がなかったら得られたであろう将来の収入)をゼロとみなして計算したのです。
確かに、腕の切断や半身不随などと違って、外貌醜状は、働こうと思えば働けるので、労働能力が落ちていないように思えます。
しかし、依頼者が高齢で事務作業をしていたというのであればともかく、まだ、事故当時10代であり、顔に傷があれば、接客業や営業職に就職することは困難となり、選べる職業の幅が狭まるので、その意味で、労働能力が喪失しています。
保険会社が、逸失利益を頑として認めなかったので、裁判を提起しました。
(結果)
裁判を提起したところ、裁判所が和解勧告をしてきました。
裁判所は、逸失利益も相当程度認めて、約1600万円の和解案提示をしました。
ご依頼者のご家族もこの金額でご納得され、約1600万円で和解しました(約900万円の増額です)。